十人十色の思い出話
1990年・国際花と緑の博覧会が開催された頃は、バブル景気がまだ残っている頃、のちに弾けて失われた30年とも呼ばれる時期に入る「最後の徒花」だったのだろう。
私は「大輪会水のファンタジアム」パビリオンで働かせていただいた。183日間という長丁場、実に様々な出来事があった。
先日9月末に開催された同窓会は、実に34年間で21回目となり、ほぼ1.5年に1回の割合で開催されている。
この34年間、コンパニオン有志が幹事となって、ホテルの宴会場やレストランを予約して、様々な趣向を凝らしてくれている。毎回20〜50人の参加者がいる。子育てや仕事の都合、また遠方へ引っ越した方々など、それぞれの事情で欠席する方もいてるが、続けられていること自体「奇跡の同窓会」と呼ばれている。
10人いれば10人の思い出があり、光の当て方によっては同じ出来事も思い出の形も変わる。
「あんなこともあった」「そんなこともあった」と答え合わせをするような会話が楽しく懐かしい。
当時の「苦境」も今は笑い話、今だから言えることなど、日にち薬とはよく言ったもので、過ぎた歳月が「思い出」を濾過し美しくする。
イベントは、来場するお客さんの視点、主催者の視点、そして出演者・裏方スタッフの視点、その3つが同じ方向を向いた時に成功するものなのだ。40年以上この業界にいて、最近感じる。
コンパニオン70人、事務局、警備、清掃、パントリー、テクニカル、運営、催事それぞれの役割の中、100人以上のスタッフが日々パビリオンを守っていた。
様々なトラブルを抱えつつ、34年の月日の中で再会し笑顔になれることは、やはりミラクルな瞬間だ。