経験がレガシーになっていく。

本番日から1週間、あっという間に時間が過ぎていく。

思い返せば、2年弱の制作準備期間を経て「さぁ、本番だ!」と意気込んでいる時に、

台風直撃の天気予報。

設営物の撤去に再設営、楽屋周りの検討、

屋外ステージへの風雨の吹き込み、出演者への前日連絡、

2年間の準備を全て薙ぎ倒すような予報に我々もギリギリまでの判断を迫られる。

そんな中、ボク自身も20年ぶりにブチ切れた、詳しいことはここには記さないが、

ピンチの時こそ各セクションの連携が必要なイベントにおいて、自分のことしか考えていないスタッフに、

震えるぐらいの怒りがボクをキレさせた。

冷静にならないといけないと分かっていても、抑えきれない怒り。今も思い出すと怒りが湧き起こる。

なんとか、台風も直撃は逃れ、青空すら見えてきた本番直前、またしても、豪雨が会場を襲う。

トップバッターの日本センチュリー管弦楽団、楽器が雨に最も弱い中、一時中断後、曲数を減らして

見事、最初のステージをやり遂げてくれた。

そして、9つの出演団体のパフォーマンスも無事、奇跡のオンタイム終演。

長く、紆余曲折だらけの「ボクの万博」が終了した。

思えば、この経験が「レガシー」になっていくのだろうと最近考えるようになった。

万博閉幕後にはステージも施設も取り壊されるらしいが、ボクやスタッフ、出演団体の人たちが、

ここで経験したステージは永遠に、皆の心の中にレガシーとして残り続けると思いたい。

そして、その経験をまた違うステージで披露してくれることを心から願うばかりだ。