歳を重ね、なお頭を垂れる。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という諺がある。
稲が実を熟すほど穂が垂れ下がるように、人格者ほど謙虚であるという例えですね。
人間も学問や徳が深まるにつれ謙虚になり、小人物ほど尊大に振る舞うものだということを表しています。
「最近の若いものは・・・」というのは、昔からの年寄りの口癖のようですが、 その実、その年寄りの若かりし頃、そう言われていたのでしょう・・・・ 最近の電車の乗り降りなどを見ていると、「最近の年寄りは・・・」と愚痴りたくなるくらい、 節操がないように感じます。
思えば、この業界でご飯を食べさせていただき、38年ほどの歳月が過ぎました。昭和の終わりから、平成・令和とバブル全盛期から、バブル崩壊、震災・豪雨などの自然災害、果ては新型コロナウイルス感染症という見えない敵との闘い。 人間が支配しているという傲慢さにしっぺ返しするような、様々な出来事。 そんな中、歳を重ね暮らしています。
我々も、仕事の上で、平均年齢が高くなってきたのは、それだけ歳を取っても働けるということなのでしょう・・ しかしながら、だからと言って、若者より偉いわけではなく、経験値が少しあるくらいで思っていた方がいい。
若者も、年寄りも、互いに尊重し合いながらお互い補完しつつ働けると、より良いものができる気がします。
一つの仕事をやり終えた後ほど、そんな想いを感じざる得ないですね。
いつも、いつの時代も、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」精神を忘れずにいたいものです。