子供の日

50年ほど前になるが、

阪急ブレーブス(現オリックスブレーブス)子供の会という、会員制のメンバーに入っていた。

年間幾らか忘れたけれども、会員になると西宮球場の試合を見ることができたので、

小学生の頃、母に頼んで会員になっていた。

阪急ブレーブスのファンではなかったけれども、野球少年だった僕はとにかく球場に行きたかった。

その頃、プロ野球といえば、ジャイアンツかタイガースしかテレビ中継がなかったので、パリーグは球団名すら知らない人が多かったし、テレビ中継は日本シリーズしかないことが常識だった.

なので、西宮球場に行っても、ほとんど知らない選手たちばかりだった。

ただ、通路を通って球場の客席に入ってあの綺麗なグラウンドが視界に入った時の感動は今も忘れない。

そして、そこでキャッチボールしているプロの選手たち、とにかく、球は早いし、守備は上手いし、バッティングの音は凄まじい。これぞプロという小学生の僕にとっては驚きと感動しかなかった。

選手の名前は知らないけれども、プロ野球選手の体の大きさに度肝を抜かれ、そして感動したことを思い出す。「将来は野球選手になるんだ」と少年心に思ったものだ。

今考えると、そんなワクワクした瞬間があったことはとても幸せに感じる。大人になるにつれ、驚きやワクワクする瞬間が少なくなってきたが、子供の頃のあの思いは一生僕の心に刻み込まれている。なので、今も、球場に行って通路を抜けてグラウンドが視界に入った時の高揚感は変わらない。

今や孫たちと遊ぶ機会が増えてきたけれども、そんな「ワクワクドキドキ」なシーンを刻んでほしいと思うばかりだ。それは大人が押し付けるのではなく、子供たちが自ら、見て、感じるしかないとは思う、ただそんな「ワクワクドキドキ」な場所に連れて行ってあげるのは、今の僕のミッションではあるかな、、、、と「子供の日」に少し想いを馳せる。