「鉄道王国・関西」

 関西には、北部方面から、阪急電車・阪神電車・京阪電車・南海電車・近鉄電車が走っています。

嘗ては、どの電鉄会社もプロ野球球団を所有していましたが、今は阪神電鉄だけですね。私も阪急ブレーブス子供の会に入って、よく西宮球場に行ったものでしたが、今となっては残念です。

 今から108年前の今日、「箕面有馬電気軌道会社」が設立されました。阪急電鉄の前身の会社です。

その創業者があの小林一三さんです。
多分知らない人はいないのではないでしょうか・・・
「阪急東宝グループ(現阪急阪神東宝グループ)」の創業者です。
様々なドラマや本も出版されていますので、その逸話はよく知られたところですが、氏の「乗客は電車が創造する」はその事業の根幹を成す言葉のひとつではないでしょうか・・
沿線の地域開発により、人口増加を誘引し、住宅分譲では当時まだ珍しい割賦販売で大衆にも住宅を買えることで成功を収めましたし、宝塚歌劇は当時の三越の少年音楽隊を模して、少女の歌劇団を作り上げ、今や宝塚歌劇と言えば日本を代表する歌劇団です。また野球球団「阪急ブレーブス」創設、日本で初めてターミナルデパートを梅田駅に建設。
前途に疑問を抱くものの不安をよそに大成功を収めた裏には、顧客主義が一貫してあったようです。
実に様々な事業を成功裡に収めています。

「ソーライス」の逸話はあまりにも有名です。
ライスカレーのライスだけを頼み、ウスターソースをかけて食べること、です。

その様々な事業はのちに、他の電鉄会社の事業の模範になったようです。

時代は違うと雖も、氏のその卓抜したアイデアには、驚嘆するとともに、徹底した顧客第一主義が息づいている気がします。

ビジネスの成功は運であったり、時流であったり、様々な要素があります。
私も30年余この業界で生きていますが、常に世間の波風に翻弄される日々です、しかしその波風もやがて止み、次の時代へと続いて行きます。
世間が悪いとか、時代が違うとか、運が悪いとか、得てして上手くいかない時は、何かに原因を押し付けたくなるものです。

小林一三さんの生き様を垣間見る時、それは単なる言い訳だと気づきます。

「顧客第一主義」を見逃さなければきっとそれは、倍以上のもので返ってきます。逆に返って来ない時は、それは「顧客第一主義」ではなかったということです。

事業とはそんなことの繰り返しなのかもしれません。先人に教えられることは、未だ沢山あります。

株式会社ニューズさんの写真