「プロのプレーにワクワクしたい」
今から22年前、1993年「Jリーグ」が華々しく開始されました。低迷していた日本プロサッカーリーグを『Jリーグ百年構想』の理念のもと、10クラブで開始、現在はJ1リーグ18クラブのほか、J2、J3と創設されています。
それまでは、プロスポーツと言えば、「プロ野球」。
少年の将来の夢は「プロ野球選手」というのが定番でしたが、Jリーグ発足後は様相が一変します。空前のサッカーブームが到来します。マフラータオルを首に巻き、手首にはミサンガをつけ、そのカラフルなグッズとともにお気に入り選手を応援する若者たち。また、日本代表戦で世界との闘いという、ナショナリズムにも火が付き、単なるプロスポーツを越えて4年に1度のW杯は国同士の闘いに若者だけではなく、日本国民が一喜一憂するに至ります。
一方、プロ野球は1リーグへの再編の動きや
視聴率の低迷による地上波中継の減少など、サッカー人気とは裏腹に人気低迷が顕著になっていきます。
そんな中、各球団が危機感を持ったのか、昨今は入場者数が大幅に増えています。
一昨年あたりから、「カープ女子」と言われる女性の観客の増加、それに伴って、他の球団も女性ファンへのサービス向上に力を入れています。トイレの改装、オリジナルグッズの開発、球場グルメ開発、女性対象のサービスデーなど。ともすれば、オヤジのためのスポーツ・野球が、今やアイドルさながらの応援風景です。カメラを手にお目当の選手たちを写真に収めて、Blogやfacebookなどに投稿して楽しんでいます。
交流戦の是非はともかく、様々な試みにおいて、サッカーファンと野球ファンの棲み分けはうまくいっているようです。今シーズンのセ・リーグは稀に見る大混戦です。9月の足音を聞く頃には、ストーブリーグの話題もチラホラ出てくるはずなのに、まだ優勝争いを4チームがしています。パリーグの1強は別モンですが、こうして、秋口まで盛り上がることはプロ野球人気向上という意味では良いことと言えます。
それは、本来のプレーでファンを魅了することに他ならない、様々なサービスはあくまで、付加価値であり、プロとしてのプレーこそが、ファン増員の最大にして唯一の方法と考えます。
38年前、1977年のこの日後楽園球場で巨人の王貞治選手が、通算756号ホームランを打ちました。世界最高記録更新のホームランです。私も子供心にいつ打つか、ワクワクしたことを思い出します。好きな球団を越えてこのホームランには夢がありました。プロスポーツの醍醐味でしょう。今シーズンもあと僅か、ワクワクを感じたいものです。