「ビアガーデン」
すっかり真夏、ビールが美味しい季節です。
飲んべえは「取り敢えず、生!」という。
健康でビールを飲めるということは、小さな幸せです。
先日、平尾昌晃さんが亡くなりになりました。昭和歌謡界の作曲家の第一人者の巨星がまた一人いなくなりました。心よりお悔やみ申し上げます。
『歌は世につれ、世は歌につれ』
まさしく、昭和歌謡には、そんな味のある歌がたくさんあります。もちろん自分自身の人生が投影されていることもありますが・・・
また、最近アナログのレコードが人気回復しているようです。今や、「音楽」自体はダウンロードするもので、私からすると、なんか味気ない気がします。私にとっては、歌はレコードやラジオ、テレビで聞く(見る)もので、その場所でなければ聞けないほど音楽を聞くことは大きな行動を伴うものでした。
気軽に音楽を外で聞くようになったのは、ソニーのウォークマンが発売されてからですね、歌を持ち運べるようになったのは・・・これはある意味革命的なことです。自分の聞きたい場所で、音楽が聞けるということ、その後、音楽は CDになり、今やダウンロードして、好きな音楽をカスタマイズして、持ち運ぶことは、至極当たり前です。
私には、ビールと音楽で、忘れられないイベントがあります。30数年前になります。天王寺にある駅ビルの屋上で営業していたビアガーデンで、歌のリクエストをお客さんから募集して、パーソナリティが、ディスクジョッキーよろしく、おしゃべりの合間にその曲を流すというものです。200縲怩R00席はあったんじゃないでしょうか・・・
そのイベントは、約2ケ月ほど続いたでしょうか・・・
私は、そのイベントのフロアーアシスタントディレクター、簡単に言えば何でも屋さんですね。パーソナリティのDJのお姉さんの読む台本を書いたり、流すレコードを用意したり、時には、お客さんのオーダーをウエイトレスさんに伝えたり、・・・
なんせ、酔っ払いの人たちですから、もうそこは結構な修羅場です。機嫌の良いお客さんだけとは限りません。
当時は一気飲みなんてのは、当たり前のことでしたので、なかなか大変でした。わたしは、まだ大学生でしたので、アルバイトの延長で良い勉強にはなりました。
その頃は、音楽を流すこと自体が一つのイベントになっていた時代です。先ほども言いましたが、まだこの頃は「音楽を持ち運ぶ」時代ではありませんので、「こんな曲が聞きたい」がとても重宝された時代です。
そのイベントのエンディング曲はなぜか、「スティービーワンダーの心の愛」でした。ディレクターさんの好みだったのかどうか、今となってはわかりませんが、歌謡曲のリクエストイベントなのに、なぜか、洋楽の「心の愛」
しかし、なぜか、今もその曲を耳にすると、あの時代のあの風景が瞬間的に思い出されます。ビアガーデンで乾杯しているお客さんの楽しげな笑顔、バブルが始まろうとしている、いや始まっていたのかもしれません、その後のバブル崩壊を想定していない笑顔満開の元気な日本を思い起こします。
「心の愛」を聞くと、そんな楽しげな時代の空気が流れます。
『歌は世につれ、世は歌につれ』・・・・・
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