「この国のかたち」
2月12日は「菜の花忌」あの司馬遼太郎さんの命日です。
様々な作品を書かれた氏が残された言葉・文章の数々は今もなお生き生きと我々の心に刺さります。
晩年、氏は「この国のかたち」という歴史随想を連載されていました。今から30年前です。
残念ながら、20年前1996年、氏は急逝。
そのエッセイは、氏の歴史観を投影した日本人への警告とも言えるかもしれません。随分前に読んだ本ですので、内容はすっかり忘れてしまいました。
当然、氏の生きていた頃とすっかり、日本の、世界の、情勢も変わっていますので、その行く先は我々も予言できない程、世界がグローバル化し、複雑化していることは確かです。
長い歴史の歪みから生まれてきた宗教対立、国境を越えた民族対立など、国境を奪い合う戦争とは違にする昨今のテロとの戦い。
司馬遼太郎氏が歴史小説を書きながら、考えていた「この国のかたち」とは一体どんな「かたち」だったのだろう、と思いを馳せます。
インターネットによる情報の共有化・拡散化、また意図的な情報操作。30年前の、「知らない時代」いや「知れない時代」と言った方がいいかもしれません。
今や情報が氾濫しすぎて「知ってしまう時代」。
様々な情報に晒されて、それに流されそうになる時代。
知れない時代よりはマシなのかもしれませんが・・・
歴史は繰り返す、と言います。
司馬遼太郎氏が警告していた事ども。
果たして今はどうなんだろう。
少子高齢化の日本社会において、実に様々な課題が問題提起されています。
医療・介護のこと。空家の増加。インバウンドによる交流人口増加。テロへの恐怖。東アジアにおける経済対立など。
もはや日本国だけの問題ではない。世界における協調バランスをいかに作っていくか・・・・
久しぶりに司馬遼太郎さんの「この国のかたち」を読み直してみようと思います。